会計年度/年次更新とは
会計年度とは
A.S.I.A.では、運用を開始する前に会計年度の設定を行う必要があります。1会計年度は12月度で固定となります。また、A.S.I.A.では予算や過年度実績の管理を行うことができますので、当会計年度だけではなく未来年度や過去年度も設定可能です。なお、帳表出力の際には過去年度を集計範囲として指定することが可能です。
年次更新とは
A.S.I.A.では、会計年度が終了した後に[年次締め]処理を実行することにより、年度の締め処理を行います。年次締め処理を実行すると、締めた年度の伝票入力/帳表出力等の処理を一切行うことができなくなります。
締め処理関係の概略図を以下に示します。
しかし、決算整理仕訳等が会計年度終了日の後で確定されるため、会計年度終了日が終了した直後に年次締め処理を実行することは実際には困難です。
A.S.I.A.では、[会計年度設定]
の"次会計年度"タブにおいて並行期間(最大6カ月)を設定することにより、この期間中においては年次更新を行わない限り会計年度終了日を過ぎても引き続き伝票入力等の処理を行うことができます。この場合、決算整理仕訳が確定した後に、年次締め処理を実行してください。
年次更新処理の流れ
決算が確定した際の処理の流れは、次のようになります。
- 通常伝票/販売/購買/在庫各入力処理の確定
年度の締めを行う前に、日常処理として入力されている各サブシステムからの伝票データを全て確定(承認)してください。[入力締め]、および[年次締め]実行後には各サブシステムからの伝票新規入力/修正/削除処理を行うことができなくなりますのでご注意ください。
- 決算伝票の入力
確定した決算整理仕訳を伝票入力してください。
- 最終月度の[外貨評価換算]の実行
[多通貨会計モジュール]を使用して運用を行っている場合には、年度内の最終月度の評価換算処理として[外貨評価換算]を実行してください。
- 最終月度の[月次更新]の実行
年度内の最終月度の確定処理として、[クロージングコントロールモジュール]の[入力締め]、[在庫締め]を実行してください。
- データベースのバックアップ
[年次締め]を実行する前に必ずデータベースのバックアップを行ってください。
- [年次更新]の実行
今年度に関する伝票確定処理、[外貨評価換算]等のバッチ処理、およびデータベースのバックアップが終了したら、[クロージングコントロールモジュール]の[年次締め]を実行してください。[年次締め]の実行後は、次会計年度への入力となります。更新済年度の伝票等の新規入力/修正/削除処理、および財務諸表の照会/印刷/エクスポートは一切行うことができません。
年次更新の処理内容
年度内の各サブシステムからの入力確定処理、および決算整理伝票の入力が終了し、最終月度の[外貨評価換算]および[月次締め]、[在庫締め]を実行した後、[年次締め]を実行することにより年度締めの処理が完了します。[年次締め]処理は、単に年度の入出力処理のロックだけをしているわけではなく、次のような処理も同時に行っています。
- 仕訳データの貸借バランスチェック
仕訳データ(残高も含む)の基準金額の貸借バランスチェックを行います。[年次締め]対象年度の仕訳データの基準金額のバランスが、「費用 + 資産 ≠ 収益 + 負債 +
資本」の場合、エラーメッセージが表示され、[年次締め]は処理の途中で中断されます。この場合、伝票入力処理による仕訳データ、および債権/債務管理からの自動仕訳データは入力時に基準金額の貸借バランスがチェックされますので、[残高登録]で保存した残高データの基準金額の貸借バランスをもう一度ご確認ください。
- B/S科目の次年度期首残高の確定
[科目/補助登録]の"科目区分"において"資産"、"負債"、"資本"と設定した科目をB/S科目として判断し、B/S科目の次年度期首残高を取引先別、および通貨別に確定します。
借方科目=前期期首残高+前期借方発生金額−前期貸方発生金額
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貸方科目=前期期首残高+前期貸方発生金額−前期借方発生金額
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- 当期利益の(次会計年度における)前期繰越利益への振り替え
当期利益を[年次更新基本設定]で設定した利益繰越科目へ振り替えます。振り替え処理は次のように計上されます。
次期利益繰越科目残高 = 利益繰越科目残高 + B/Sの貸借差額 (資産残高 - 負債残高 - 資本残高)
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- [会計年度設定]における会計年度の更新
[会計年度設定]
において設定されている"次会計年度"を"会計年度"へコピーします。"次会計年度"で指定している月度(最大6カ月分)のみのコピーになりますので、残りの月度を速やかに登録してください。